国連諸機関へのパトリシア・デュバル報告書の衝撃
- 信教の自由と人権を護る宗教者連絡会三重
- 2024年10月13日
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更新日:2月12日
2024年9月22日、国際法の専門家であり、「市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下、自由権規約)」の解釈に詳しいフランスのパトリシア・デュバル弁護士は国連諸機関へ「日本政府の家庭連合への解散命令請求は国際法に違反する」という報告書を提出した。
この内容はジュネーブで発表され、国連の様々な人物や機関に提出された。日本は1979年に「自由権規約」を批准しているため、これを遵守する義務がある。
以下にショート動画が公開されている。
また、国際的な宗教の自由に関する専門誌で、過去4年間の米国国務省の宗教の自由に関する報告書で200以上の記事が信頼できる情報源として引用されている『Bitter Winter』では、「日本と統一教会:デュバル・レポート1 仕組まれた不法行為訴訟」と題して5回にわたり記事が紹介された。
以下は報告書の要約である。
・自由権規約第18条第3項は、「宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって、公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は、他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる」と規定している。
・日本政府は、家庭連合が「社会的相当性を欠いたこと」や「社会規範に違反したこと」を理由に敗訴した32件の不法行為による損害賠償請求訴訟を根拠に、宗教法人法第81条に基づき、「公共の福祉」を著しく害したとして、宗教法人の解散手続きを開始した。これらが家庭連合の信教の自由を制限する根拠になると解釈したためだ。
・ところが、「公共の福祉」の保護は、自由権規約第18条第3項において、信教の自由を制限するために認められた根拠に入っておらず、社会的相当性や社会規範への適合も同様に認められていない。
・むしろ、国連の自由権規約人権委員会は、日本に対し、宗教的信念を表明する権利を制限するために「公共の福祉」という概念を用いるのをやめるよう繰り返し勧告してきたのである。
・しかも、日本政府が解散命令請求の根拠としている、家庭連合が敗訴した民事訴訟は、その大半が、拉致監禁されて棄教を強要(ディプログラミング)された元信者によって提起されたものである。
・国連の自由権規約人権委員会は、日本に対する第6回定期的審査でこの問題を取り上げ、2014年8月20日の総括所見において、拉致および強制的な監禁に対する勧告を行った。
・日本政府は、この自由権規約人権委員会の勧告に従わず、政府からお墨付きを得て行われたディプログラミングによって教会を離れた元信者たちが提起した訴訟を根拠に、家庭連合を解散させようとしている。
・もし日本当局による差別的、抑圧的な措置という憂慮すべき傾向を止めるために何も対策が講じられなければ、この宗教運動は消滅し、信者は他国に移住するか、強制されて信仰を放棄することを受け入れざるを得ない運命にある。